野菜の残留農薬を落とす方法が知りたい!
野菜に使われている農薬、気になりますよね!
それもそのはず、農薬には、発がん性が認められているものも…。
そんな不安からか、野菜の農薬を洗浄するスプレーもさまざま販売されていますが、実は台所にあるものだけで手軽に落とすことができるんですよ!
農薬によっては、
台所にあるものだけで、農薬を落とすことができます!
そこでこの記事では、水や調味料だけで、残留農薬を除去する方法をご紹介します!
ぜひ参考にしてみてくださいね!
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日本で農薬が必要なわけ
日本は世界ワースト3位以内にランクインする農薬大国!使われる農薬の量がとても多いんです。
農薬を多用するのは、
- 高温多湿な風土のために病害虫が発生しやすいから
- 見た目をよくするため
- 作業手間をかけずに効率をよくするため
などの理由からです。
また、農薬を使わなかった場合、作物の収穫量が減ってしまう(5~7割程度)場合もあることから、スーパーの野菜には基本的には農薬がたくさん使われています。
こちらの記事で、「スーパーの野菜がやばい」と言われる理由を詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね。
農薬使用量
日本は農薬大国。
世界的に見てもかなりの農薬使用量。2017年の統計によると、中国、韓国についで日本は世界3位なんだそう。
さらには、一部農薬は、海外では禁止されているのに、日本では使われ続けてたり…。
「国産野菜」なら安心だと思っていたのに…
そして以下が、とある県のガイドラインで定めている、慣行栽培における農薬の散布回数です。
※慣行栽培:農薬や化学肥料を使用するいわゆる普通の栽培方法
やさい | 農薬の散布回数 |
---|---|
いちご | 63回 |
りんご | 25回 |
とまと | 54回 |
きゅうり | 56回 |
ちなみに、いちごは300種類ほどの農薬が認可されているそうです。
日本の慣行栽培農家さんは、やさいの売上の約7%を、農薬代に使っているという話も。
また、化学肥料の使用量に伴い、農薬の使用量も増加していく傾向がありますが、
早く・形の揃った野菜をたくさん収穫するために、おのずと化学肥料の使用量は増え、それに伴い農薬使用量も増えてしまうという悪循環も。
野菜に農薬は残留するのか?
栽培期間中に使った農薬は、残念ながら野菜に残留します…
2019年に実施された東京都の残留農薬実態調査によると、24種80作物の野菜・くだものの調査をおこなったところ、
約58%の野菜とくだものから31種類もの残留農薬が検出されたそうです。
- きゅうり
- ほうれんそう
- ピーマン
- 白菜
- ねぎ
- なす
- とまと
- キャベツ
- じゃがいも
- なし
- みかん
- ぶどう
- もも
※あくまで24種類のみの調査結果のため、調べればこのほかでも残留農薬が検出される野菜はあると思います。
おなじみの野菜がたくさんですね。。
農薬の除去方法
残留してしまった農薬も、実は身近なもので簡単に落とすことができます!
※完全に落とすことはできない
主な除去方法はこちらの3つ。
- 水洗いによる除去
- 下ごしらえによる除去
- 調味料による除去
また、これにより除去することができる化学物質はこちらの3つです。
農薬によっては、野菜のどの部分にたまりやすいのかが違ってきますので、後述する野菜別の除去方法も要チェックです。
除去できる化学物質
化学物質 | たまりやすい部分 |
---|---|
残留農薬 | 殺菌剤:野菜の表面に残留しているものが多い 殺虫剤:野菜表面下の下層であるクチクラ層に溶け込んでいるものが多い |
硝酸塩 | 硝酸塩は水に溶けやすく、野菜表面全体に残留していることが多い |
ダイオキシン | 野菜の表面や、表皮下の油層にもたまりやすい。 特に根菜はダイオキシンによって汚染された土がつくため注意。 |
栽培中に硝酸態窒素(主に化学肥料)を過剰に摂取することで、「硝酸塩」や「シュウ酸」が多く残ってしまいます。それらには、発がん性物質であるとされています。
農薬の除去方法①:水洗いによる除去
水洗いで除去することができる農薬もあります!
洗う時間は2~5分とふつうよりも長めですが、一部の農薬は、水洗いだけでほとんど除去できます。
また、一般的に化学物質は水よりもお湯の方が溶けだしやすいので、お湯を使って洗うとより効果的です。
詳しい除去データはこちらをcheck!
▼やさいに散布された5種類の農薬に対して、水洗い・洗剤洗い、それぞれの除去率を調べた実験データ
農薬名 | 作物 | 洗浄方法 | |||
2分 | 水洗い5分 | 水洗い2分 | 洗剤洗い5分 | 洗剤洗い||
TPN (殺菌剤) | ほうれん草 | 98% | 98% | 99% | – |
いちご | 90% | 95% | 97% | – | |
NAC (殺虫剤) | 白菜 | 80% | 89% | 94% | 93% |
ダイアジノン (殺虫剤) | ほうれん草 | 55% | 61% | 38% | – |
りんご | 4% | 66% | 29% | 31% | |
ぶどう | 洗浄後も残留量がほとんど変わらなかった | ||||
スミチオン (殺虫剤) | 白菜 | 18% | – | – | 15% |
ケルセン (殺虫剤) | ぶどう | 2% | 24% | 42% | 54% |
いちご | 12% | 26% | 2% | – |
※財団法人残留農薬研究所で行われた実験結果を参考にしています。
農薬の除去方法②:下ごしらえによる除去
下ごしらえでも、除去できます。
ただし、農薬の他にも栄養分や風味まで失われるため、やりすぎ注意です。
除去方法 | やり方 | 効果 |
---|---|---|
切り方 | 野菜を細かくきり、溶出面積を大きくする。 細かく切れば切るほど、溶出面積が大きくなるため、除去できる農薬の量も増える。 | 切った後の下ごしらえをした際に、不安物質を取り除きやすくする。 |
板ずり | やさいに塩をまぶして、まな板の上でこすり合わせる | 板ずりによって表面に傷がつき、表皮下層に残留する農薬やダイオキシン、硝酸塩を除去することができる。 |
あく抜き | ゆでる | あくに含まれる、農薬や化学肥料(硝酸塩)を取り除くことができる。 |
水・食塩水・酢水にさらす | 水などでもあく抜きをすることができる。 | |
湯むき | 食材に熱湯をかけて、外皮を取り除く | 板ずりとおなじく、表皮下層の残留農薬を除去することができる。 トマトは湯むきをすれば不安はほとんど解消。 |
農薬の除去方法③:調味料による除去
最後が調味料による除去方法。
塩や酢を使った下ごしらえの方法で、昔からの調理法ばかりですよね。
調味料 | やり方 | 効果 |
---|---|---|
塩 | たて塩:塩水に漬けて洗う 塩もみ:塩をふりかけてもむ 塩ゆで:塩を入れたお湯でゆでる | 塩の浸透圧により、野菜内部の残留農薬を減らすことができる。 |
酢 | 酢どる:甘酢などに漬ける | 野菜の余分な水分を取り、有害物質を引き出す効果がある。 ※漬けた酢は引き出した有害物質が含まれるため、飲んだり再利用はしない。 |
しょうゆ | しょうゆ洗い:しょうゆを少し和えて絞る | 野菜の余分な水分を取り、有害物質を引き出す効果がある。 |
味噌・酒粕 | 味噌漬け:味噌で漬ける 粕漬け:酒粕に漬ける | 野菜の有害物質を引き出す効果がある。 ※味噌漬けに使った味噌には有害物質が含まれるため、よく落としてから食べる。つけた味噌も捨てる。 ※粕漬けも同じ |
野菜別の農薬除去方法
基本的には上記で紹介した方法で農薬を落とすことできますが、
野菜によって農薬使用量の多い・少ないがあることや、
野菜によって適した方法があることから、野菜別に適した方法を把握しておきましょう。
野菜別の農薬除去方法①:葉物野菜
葉物野菜は残留農薬・硝酸塩の残留が心配な野菜です。
よく洗う・外葉を取り除くなど、しっかり下ごしらえをしましょう。
野菜 | やり方 | ポイント |
---|---|---|
キャベツ | 外側の葉を取り除く | 最も農薬を浴びた外側の葉っぱを取り除く |
レタス | 外側の葉を取り除く | 最も農薬を浴びた外側の葉っぱを取り除く |
ほうれん草 | 流水に5分つけ、ふり洗いとゆでこぼし | 【要注意】残留農薬・硝酸塩が多い。 切ってからゆでると、より効果的。 |
コマツナ | 1分ゆでて水にさらす | 【要注意】残留農薬・硝酸塩が多い。 切ってからゆでると、より効果的。 |
春菊 | 流水に5分つけ、ふり洗いとゆでこぼし | 【要注意】残留農薬・硝酸塩が多い。 |
白菜 | 外側の葉を取り除く | 最も農薬を浴びた外側の葉っぱを取り除く。 外側1~2枚取り除けば安心。 |
チンゲン菜 | 葉を外して洗う・ゆでてから使う | 残留農薬・硝酸塩は少ない。 ゆでたあとで、水にさらす必要はない。 |
モロヘイヤ | ゆでこぼしたあと冷水にさらす | 切ってからゆでると、より効果的。 |
野菜別の農薬除去方法②:根菜
根菜は、土の中にあるため、葉物に比べると安心度は高いです。
よく洗う・皮をむくなどで下ごしらえをしましょう。
野菜 | やり方 | ポイント |
---|---|---|
玉ねぎ | 茶色の皮をむく | 心配な場合は、茶色の皮のすぐ下の薄緑色の1枚をむいてもよい。 さらし玉ねぎはより安心な食べ方。 |
じゃがいも | 流水でこすり洗い カット後は水にさらす | 皮をむいて使えば、油脂性の残留農薬も除去できる。 カット後は水にさらす。 |
さつまいも | 流水でこすり洗い | 皮をむけばさらに安心。 皮のすぐ内側にある輪っかの部分までむく。 |
さといも | 水洗いのあと皮をむき、あく抜き | 水洗いし、皮をむいた後に、薄い塩水で水洗いする。 |
山いも | 流水でこすり洗いし、皮を厚くむく | 切ってすぐに酢水でさらすと、褐色防止と農薬除去の効果がある。 |
ごぼう | 流水でこすり洗いし、皮をこそげ落とす | 切ってすぐに酢水でさらすと、褐色防止と農薬除去の効果がある。 |
にんじん | 流水でこすり洗いし、皮をむく | |
だいこん | 流水でこすり洗い | だいこんの葉っぱを使う場合は、葉物野菜と同じ下ごしらえをする。 |
かぶ | 流水でこすり洗いし、皮をむく | |
れんこん | 流水でこすり洗いし、皮をむく 酢水に浸ける | 酢水により、アクと残留農薬・ダイオキシンを引き出すことができる。 |
野菜別の農薬除去方法③:果菜
切った後に、水にさらす。塩をふる、ゆでこぼす などで、安心して食べることができる。
野菜 | やり方 | ポイント |
---|---|---|
きゅうり | 流水でこすり洗いのあと、板ずり | 切った後に塩をふってもOK。 |
ピーマン | 流水でこすり洗いのあと、ゆでるかゆでこぼす | 調理前に、熱湯で30秒ほどさっとゆで、冷水にとってさます。 |
とまと | 流水でこすり洗いのあと、湯むき | 害虫病に弱い野菜のため、農薬をかける回数が多い。 とくにハウス栽培が多いため注意。 |
なす | 流水でこすり洗いのあと、切ってからアク抜き | 害虫に強いため、農薬の不安はさほどない。 切った後に、水が黒ずむまで水にさらすことで、農薬除去ができ、おいしさも増す。 |
かぼちゃ | 流水でこすり洗いし、かすりむき | かすりむき:皮のところどころの皮をむくこと。 |
オクラ | 流水でこすり洗いのあと、板ずり | もともと残留農薬の少ない野菜。 |
ズッキーニ | 薄切りにしてあく抜きか、塩水にさらす | 比較的、病害虫に強い。 切り口が黒ずむため、表面に塩をふるか、塩水(1.5%以上)にさらす。 |
ゴーヤ | 薄切りにして塩でもみ、水洗い | 比較的、病害虫に強い。 |
野菜別の農薬除去方法④:茎菜
病害虫に強いもの・弱いもの様々。
野菜別の特徴をしっかり把握しましょう。
野菜 | やり方 | ポイント |
---|---|---|
ねぎ | 外側の葉を取り除く | 可食部が土の中のため、比較的安心だが、外葉を取り除くとさらに安心。 |
もやし | ひげ根を取り、水にさらす | 栽培時われた薬品は、根から吸収されているため、根の部分に残留することが多い。 また、たっぷりの水に浸けて、漂白剤を除去する。 |
アスパラ | ゆでて使う | 比較的、病害虫には強い。 ゆでるときに、ふたつに切ってゆでるのが◎ |
セロリ | 流水で洗ったあと、切ってから酢水にさらす | 生育期間が長く、病害虫に弱いため、農薬使用量が多め。 しっかり除去するとよい。 |
にら | 流水で5分ほど浸け、ふり洗いのあとゆでこぼす | 比較的、病害虫には強い。 |
野菜別の農薬除去方法⑤:花菜
比較的安心な野菜。普通の調理法で除去できる。
野菜 | やり方 | ポイント |
---|---|---|
ブロッコリー | 小房にわけてゆでる | 栄養満点な上、病害虫に強い。 |
カリフラワー | 茎を上にして水に浸けたあと、子房に分けてゆでる | カリフラワーのビタミンCは崩れにくいため、7分くらいゆでてもOK。 |
野菜別の農薬除去方法⑥:豆・きのこ
きのこは洗って使うと安心。そのほかは昔からの調理法で調理すればOK。
野菜 | やり方 | ポイント |
---|---|---|
枝豆 | 塩をもみ込み、ゆでる | さやの両サイドをカットしてゆでると、アクが抜けやすい。 |
さやえんどう | 筋を取って、ゆでたあと冷水にくぐらせる | 筋取りをしっかりすることで、除去率があがる。 |
さやいんげん | 流水で1分ほどふり洗いし、ゆでこぼす | カットしてからゆでるとさらに◎ |
生しいたけ | 2~3回水を替えて、ためすすぎ | あまり洗わないが、洗う。 |
野菜別の農薬除去方法⑦:くだもの
農薬使用量が多いものが多い。
個人的には嗜好品として少し食べるのがおすすめ。
野菜 | やり方 | ポイント |
---|---|---|
いちご | 流水に5分ほど浸けて、ふり洗い | 病害虫に弱く、農薬の使用が多い。 表面がぼこぼこしていて、農薬が残留しやすい。 ヘタは取ってから洗うと除去しやすい。 |
りんご | 流水でこすり洗いのあと、皮をむく | 切った後、塩水に漬けることで、変色を防ぎ、塩水が農薬を引き出してくれる。 |
レモン | 流水でこすり洗いのあと、皮をむく | 輸入レモンは、ポストハーベストやヘタ落ち剤が使われている。 皮を使う場合は国産を使うのが◎ |
みかん | 表面をアルコールでふく | 添加物を含むワックスをふき取る。 |
メロン | 皮を厚く残す | 出盛り期のものは、農薬使用量が少ない。 |
バナナ | 軸元から1cm切り落として食べる | バナナは、軸が腐るのを防ぐために、収穫後に防腐剤や防カビ剤が使われることが多いため、軸を1cm残す。 |
さくらんぼ | 流水に10分ほど浸けたあと、ふり洗い | 浸透した農薬は除去できない。 たまに食べる程度にするのが◎ |
ぶどう | 流水に10分ほど浸けたあと、ふり洗い | 農薬不安はほどほど。 口の中で皮をかまないように注意。 |
もも | 流水でなでるように洗う | 傷みやすいので、ゴシゴシ洗わない。 |
なし | 流水でこすり洗いのあと、皮を厚めにむく | 殺虫剤をかなり使うくだもののひとつ。 |
くだものもある程度は除去できますが、
野菜と比べると農薬が多いので、有機栽培・減農薬で栽培のものがおすすめ!
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まとめ
野菜・くだものの農薬除去方法をご紹介しました。
昔から伝わる下ごしらえ方・調理方法で、簡単に不安物質を除去することができるのは、本当に理にかなっているな!と思います。
とはいえ手間もかかりますし、野菜内部まで浸透した話題のネオニコチノイド系農薬などはほとんど落とすことができないので、個人的には有機野菜が安心かなと思います。
ネオニコチノイド系農薬など、日本で多く使われている特に危険な農薬の情報をこちらにまとめました!
農薬を心配される方は参考にしてみてくださいね!
特にパン好きな方は要チェック!
◇
【参照HP】
東京都国内産野菜・果実類中の残留農薬実態調査
【参考書籍】
・家庭でできる食品添加物・農薬を落とす方法
・本当は危ない国産食品
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